平井園だより

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檸檬の思い出

2021.12.30
 ちかごろ、温暖化のせいでしょうか?
レモンとか、寒さに弱い柑橘類も都内のお庭で育てることができるようになりました。


思い入れのあるレモン
大株の移植作業の依頼を受けました。。
お話を伺ったところ、7年前のお亡くなりになった奥様の形見だそうで・・。

枯らすわけにはいきません。
だいぶ前に念入りに根回し作業を施し、ついに移植!
マンションの専用庭だったのでクレーンで吊り出します。
平井園圃場に一旦移植してお預かりして、来年2月に葉山の新居へ移植予定です。


掘り取ったのが10月・・。さらに12月になり、寒風対策で寒冷紗を巻いて寒さに備えます。
とはいえ
年末になり寒波、寒さが厳しくなってきた。

なんとか越冬して、葉山の新居にレモンを根付かせたい・・。
万全を期して養生したいと思います。

御簾垣制作

2021.06.01
 植木屋の仕事は多岐にわたっています。

庭仕事をトータルでやるもんですから、ときには竹垣の制作を依頼されることもあります。


黒竹の御簾垣を作りました。


 まず黒竹の調達が大変。
いま、ほんとに黒竹の竹垣は需要も少ないし品物を揃えることに時間がかかります。
高速カッターの切断機で長さを微調整。
4間ぶん、高さ3m、結構な本数がいりますな。
竹の水平を確認しながらエア釘で固定していきます。

 竹垣って作った時も良いけど、経年変化の味わいを好む方もいらっしゃいますからね。
棕櫚縄で結わくだけでなく、エア釘でも固定していれば、古くなってからもズレ落ちたりしません。

押縁は太目の竹を真っ二つに割って使います。周囲に発破音が響きます。
結束はやはり、今はナイロンのシュロ縄ですね。丈夫なんです。手は痛いけど・・。

御簾垣って周囲の視線を目隠しするには適していて、風通しもそこそこ良いです。
裏に鉄骨の骨組みがあって、そこに固定もしているので台風がきたって安全なんです。

竹垣って、曲がりくねった節のある材料で水平垂直を模索する作業なので、
もどかしいところもあるんですが、そこが制作していて面白いところでもあります。

そんなこんなで楽しみながらの完成です。

稗倉

2021.04.03

 天保9年(1838年)田無村名主 下田半兵衛富永が民衆の飢饉に備えて稗を貯えるため自宅の庭に五百石入る稗倉一棟を自費で建てたそうな。。。

現在は西東京市の指定文化財である。

干支にちなんで12分の1づつ年々詰め足し古穀を貧困者並びに火災、病難等の者に分配していた。

今でいう備蓄倉庫の様なものであろうか。。。



今から5年前、下請け業者として作業に関わったのですが、地元の歴史を知るって、有意義なことで。。。

田無にある江戸時代からの文化財、「稗倉」の移築に伴う石碑、既存樹の保護、景観の整備を行いました。
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まずは傾いた石碑を起こして既存樹木や周辺の撤去から

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埋まっていた古い水路などが出没して作業を中断することも。。。 市教育委員会や学芸員の先生がた、 庭園設計者、たくさんの方々が登場します。

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たくさんの有識者の御意見をふまえながら制作いたしました。

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下田家に隣接する田無上水の水車で実際に使われていた石臼を飛び石に配置、古い水瓶も。

半兵衛さんは「槐宇道人」という雅号があったそうです。ゆかりの槐(エンジュ)の木を石碑の傍にそえます。

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稗倉の傍には下田半兵衛さんの功績を称えた石碑「養老田碑」 

江戸時代に立てられた固い石質。



↑の作業から5年が経ちました。

再びご縁がありまして、今年、母屋の庭に枝垂れ梅を植えさせていただきました。
ほかにも三つ葉ツツジ、ヤマモミジを納品いたしました。

明治天皇が昼食に立ち寄った館であると郷土史研究家の方から聞いております。 明治天皇がいらっしゃるので下田家はトイレを新築したというエピソードがあるそうです。
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下田家の庭から下草を移し植える・・・水仙は春を告げてくれます。

稗倉はこれからも地元の移り変わりを見守ってくれることでしょう。

薬王院 植樹

2021.03.28
 桜も満開で空は薄曇り・・。これが
Tha 日本の景色。
ミシュランガイドの三ツ星にも認定されております。 植樹に行って参りました。
高尾山には飯田林業さんのご紹介で10年以上前からモミジをたびたび植えさせていただいております。
大きなモミジを2t車に積み替えて裏登山道を突き進むんだけど、けっこうスリリングでね。

いざ!高尾山薬王院。 インディージョーンズのテーマソングが合いそうだ。 途中、切り返しのできないツズラ折れが数か所ありまして、クレーンで樹木を立ててスイッチバック!
杉の大木をどうにかこうにか、かわします。
どうにか山頂付近に着いた。 風で吹き飛ばされてしまわないように、しっかり支柱もして

無事、仏舎利塔の愛眼千手観音の脇に
「大盃モミジ」、「コハウチワカエデ」を植えさせていただきました。


いずれ紅葉してこんな↓になったら、参拝記念のお土産に落ち葉拾いはいかがでしょう。
(平井園11月) 大盃モミジは大きな葉でまっ赤っかー。に紅葉します。

パワースポット高尾山!
コロナ鬱なんか吹き飛ばしてくれますよー。
元気になります

ありがとうございました。

思い出の柿、移植

2021.03.08
 啓蟄も過ぎまして、だいぶ暖かくなりました。

一雨ごとに暖かくなりますが、寒暖差もありますので体調管理は気を付けたいです。

 お客様が子供の頃から親しんでいた柿の木を移植してきました。
樹齢60年以上と思われます。
現場は都心の住宅密集地。掘り取り作業が大変でしたが無事搬出することができました。 ちょっと歪な鉢ですが、固く根巻をして。 クレーンで吊り出し。 跡形もなく・・。掃除して

柿は埼玉県の本庄児玉へ運搬。
無事植栽いたしました。

柿を植えるときは藁灰(ワラハイ)をたくさん入れると良い。先代から教わっています。

本当かな?と思いますけど根拠がないわけでもなくてね。
焼き畑のあとは作物が良く育つでしょ。田舎の風景でよく煙が上がっているのを見かけます。

灰にはカリウムが含まれていて、根を育たせる働きがあります。
また虫よけや土壌phを整える効果があるそうです。

平井園で藁灰をたっぷり作っておいて、移植の際、土壌に漉き込みました。 また柿は移植後2~3年芽吹かないこともあります。

でもあきらめないでください。
突然芽吹くこともあるんです。

水やりの加減などお伝えして、本日は作業完了です。

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