すっかり涼しくなりました。
夜道の遊歩道で自転車に乗っていると、草むらの虫のささやきに秋の気配を感じます。
今日の作業はお客様のお庭に長く植わっているアイグロマツ(赤黒松)の根回しです。
なんてことない野木の松ですが、道路拡幅工事で撤去しなければならず、生け花の花材に松を使いたいので移植して残したいとのことでした。
実生で伸びた木であること、時期も9月の終盤・・。あまり発根しないので針葉樹の移植時期としてはあまりよくないですね。そんなわけで一発で移植しないで根回しして養生することになりました。
「根回し」という言葉 なんか会議の前に下打合せしておくとか、話を通しておくとか、悪だくみしておくとか(笑)・・・。なにかネガティブなイメージもありますが本来は樹木を移植するに先立ち、事前準備する作業のことなんですね~。
30%ぐらい地上部を剪定して樹木の枝葉を軽くします。
太い支持根は環状に皮をむき残し、根鉢下部をよく掘りぬいて「ズク」と言われる直根は切断します。
マツは棒でよく突いて土極めとする・・・。と施工管理の教科書には書いてありますが水道も近くにあったので、たっぷり水極めしました。教科書なんて、しょせん薄っぺらなものです。
水はけ悪い地盤でもないし・・。
これでいいのだ。
モヤイ結びでロープを数か所に引っ張り樹木を支えます。モヤイ結びは締まっていかないのでロープが幹に食い込むことがなく木の為にも良いです。
きれいに整地してあとはゆっくり時間を待って発根状況を診て移植すると確実に移植できます。
自然相手の仕事は臨機応変な感覚が大事。
なにも悪だくみしたわけではないんです。
なにごとも事前に手を打っておくと物事うまく運ぶのです。