平井園だより

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黒穂の竹垣

2020.02.21
 穂垣なんぞ作っております。

植木屋さんの仕事って10年に一回ぐらいしかやらない様な作業もありますから、一通りやるには30年かかる。と昔、親方から言われた。
お庭に仕事って幅広いから広く浅くいろいろできないとですね。

仕事って一期一会なものなので・・。


日本的な古典技術も大事にしたいですね。

 旦那さんから、だいぶ竹垣が古くなってきたんで作り替えてくれって頼まれまして創作しております。
 竹垣っていいますと植木屋の得意技でして。伝統技術でござんす。
作り替えた建仁寺がこちら↓  粋だねえ~。

昨今の住宅事情もあって、めっきり作る機会もすくなくなってねぇ・・。寂しいもんで。
こっちは裏面で表面は黒穂の垣根。
黒穂の竹垣っていっても材料集めるのにも都会じゃあ、ひと苦労だね~。
制作過程でまず始めの
丸太の立て込めってとっても大事なんです。
水糸に鉛の玉をぶら下げてみる。
これが「鉛直」でして、そのとき生まれる水糸の線が「鉛直線」である。これを基準にデコボコした丸太をまっすぐに立てる。
丸太の天端の高さをそろえるにはゴムチューブが便利なんです。水の高さは「水平」なので、どこまでいっても水平です。柱の高さはこれで揃えられます。
胴縁も一本一本、見た目の感覚で水平を確認しながら固定していきます。
なんせ材料が竹ですから、シュロ縄で修正を加えながら、なんとなく水平を模索していきます。
この骨組みまでの過程、とても大事です。

長穂をかきつけて、最後は「ねじれいぼ結び」で結束。 そんなこんなで六間ぶん、制作しました。 黒穂の垣根、温かみがあって、やっぱり本物は良いねぇ~

仕上がった垣根を蕎麦でもすすって眺めていると まるで銭形平次が出てきそうな佇まい

なんともいえない風情がありました。