平井園だより

News

庭の音 300歳の椎の木に耳をかたむける

2024.07.15
ども。平井園の山本です。
さて、お盆と言えば八月中旬というのが一般的ですが、東京ではひと月前に行う地域もちらほらで、早盆を迎える前にお庭を綺麗にしてほしいという依頼が意外と多いんです。
それで、今回お伺いした、古くから農業を営んでらっしゃるN邸でも、伐採・剪定・刈り込み、に加え、雑草除去や芝生管理を平井園全員で分担して、お手入れにいそしみました。

ここで、何といっても目につくのが巨大なシイの古木で、聞いたところによると樹齢は300年❢らしく「ある時期からずーっと300歳で通しちゃってるの」と、奥様は静かに微笑んでいらっしゃいました。
この巨大爺さま、いやシイさまは、木肌は初代ゴジラの皮膚のようにひび割れ、うねる樹幹は、まるでマニエリスムの宗教画のような迫力❢

それでふと思ったのは、太古の遺跡や江戸~明治時代の史跡はこの辺りでもよく見るけど、御年300歳、しかも生きている巨大モニュメントが、何げにしれっとそこにいる…って、あまりないことだなーって。 ただ、ここ数年の気候変動は思ったより激しくて、僕らが愛してやまないこの武蔵野でも、それまで見たことのない昆虫が気候の上昇と共にじわじわと北上。大好きな独歩の森のコナラも、見るも無残な状態のものが多くて。
しかも大型台風の脅威も日常的で。

そこで平井さんは奥さまに、巨大化したシイノキの危うさを説明した後、高く伸びたクレーンの先にセットしたゴンドラから、いまにも落っこちそうな枯れ枝や、シイ爺のバランスを崩しそうな大枝を、切っては落し切っては落して、とりあえずの不安材料を取り除いたら、シイ爺&奥さまも、ひとまずホッとされたので、僕らもあらためて、美味しいお茶とお菓子を満喫。

さらに、朝採れの胡瓜と万願寺唐辛子までをお土産に持たせていただいて、枝葉ゴミを山盛りに積んだ平井園の青い車は、カラスの声に見送られ、新町に向けてガタピシ帰りました。とさ。
めでたしめでたし。

え?シイ爺の声のことに触れてないって?

ま、

やるき こんき のんき

ってとこかな~笑
おしまい❢